2006年10月10日

デニス・ルヘイン「シャッター・アイランド」感想

ShutterIsland
デニス・ルヘイン「シャッター・アイランド」(ハヤカワ文庫)
内容(「BOOK」データベースより)
精神を病んだ犯罪者のための病院で女性患者が謎のメッセージを残し、姿を消した。
鍵がかかった病室からどのようなトリックを使って脱け出したのか?
そしてその病室には「ローオブフォー」(4の法則)なる暗号がのこされていた。
連邦保安官テディは病院に赴くがある事に気をとられ、捜査ミスをおかす。妻を殺した男がここに収容されていたのだ。
ボストン沖の孤島に建つ病院で惨劇が始まる。挑発的仕掛けのサスペンス。

この粗筋だけで、容易に結末を予想できちゃう人は多いと思う。
だとしても、ページを捲る手は止まらないだろうし、その結末に、ある種の感情が沸き起こるのを禁じえないと思う。

こういう「仕掛け」のあるミステリは技巧に重きを置きすぎる事がままあるけれど、今作「シャッター・アイランド」は、どんでん返しで騙された瞬間のカタルシルだけに頼った作品では、決して、ない。
全てが詳らかにされる終章、「そうだったのか!」とか「なんだ予想通り」とか思う以前に、明かされた凄絶すぎる真実に、<ある人物>同様、強く願う自分に気付くと思う。
頼むから、お願いだから<後退>しないで、と。
小説の中の創作の人物のために、久しぶりに本気で願った気がする。

時代設定は現代ではないけれど、なんて今日的なテーマだろう。
この人が、はるかに病んだ現代を舞台に書いたら凄いんじゃないだろうか。
と、思ったら、デビュー作「スコッチに涙を託して」がそうでした。
いきなりシリーズ5作まとめ買い。

デニス・ルヘイン(角川書店的にはレヘイン)、初めて読みましたが・・・

巧い。
posted by るしは at 00:11| Comment(0) | TrackBack(2) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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シャッター・アイランド
Excerpt: シャッター・アイランド サスペンスを読んでみました、久しぶりに。 でも、最後が・・・イマイチ? っていうか、納得いかないんです。 もしかしたら、私、 解釈を間違っているのかも..
Weblog: 本を読みたい!読書したい!
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