2006年07月24日

サイレントヒル(原題:SILENT HILL)感想

予告どおり今日は劇場に足を運びました。
silenthill_movie.jpg
「サイレントヒル」原題:SILENT HILL

一言で言うなら、素晴らしかった。

念のためもう一度。素晴らしかった。


ここまで完璧なゲームの映像化を、るしはは知らない。

るしは的ゲーム原作映画のベスト1は、今までヴァン・ダムの「ストリートファイター」ミラ・ジョヴォの「バイオハザード」だったんですけどね。
勿論2じゃなくって1の方ね。
基本設定(アンブレラ社のバイオ兵器漏洩と、その現場に赴く特殊部隊)を守りつつ、オリジナルな記憶喪失のヒロインを配してサスペンスを高め、それでいてゾンビ映画の定石をキッチリ押さえた手堅い作りは、るしはは結構評価したりしてるのだ。
その脚色に拍手!(≧∇≦)bって感じ。

しかし、「サイレントヒル」はそれを超えたかもしれない。

「バイオハザード」同様、基本を押さえつつの脚色路線。
例えば、サイレントヒルという町自体の設定。
ゲームでは昨日までは普通の町だったのですが、映画では過去の大火災でゴーストタウン化してるという設定。
(だから雪ではなく、灰が降りしきる)
カルトと麻薬の関係なんかはスポイルされてます。
(だから病院ステージは出てこない)
カルト集団の目的自体違うし。
そしてなにより、主人公を母親にしたことで、「母性」というものを強調したシナリオになってる。

「母親は、子供にとって神と同じ」

ゲームでは、カルト集団の目的が「神を産みだす」という、いかにもゲーム的な悪魔崇拝者らしいもので、アレをそのまま映画化してしまったら、かなりハリウッド的な「ハイ、神(展開としてのラスボス)ぶっ殺してハッピーエンド!」になっちゃってたと思うんですよね。
でも、映画のクリスタベラ率いるカルト達は、ほんと、単に指導者に盲目的に従うだけで、クリスタベラ自身も自分の信仰に都合の悪い存在をただ「悪魔」と排除しようとするだけの、ただの狂信者にすぎない。
だからこそ、彼女が「贖罪」と称して行う凄惨なリンチが、嬉々としてそれを行うカルト達の姿がおぞましく。
(過去のシーンはマジで凄惨でした・・・)

そういえば昔(あ、これどこかで書いたかも)PONさんがこのゲーム版の展開になんだかご立腹でして。
曰く「ストーリー的に学校行く意味ないじゃん。単にステージ増やしてるだけで」
そこが、なんと映画版では納得のいくものになっていたのも好評価。
(以下オチに言及するので反転しておく)

ぶっちゃけて言ってしまえば、この映画はアレッサの復讐の物語。
ゲーム同様わざとらしく導くシャロンの痕跡は、そのまま「アレッサ虐待の歴史」の追体験になってる。
そして全ての過去がローズの知るところとなり、彼女がアレッサを身篭った時(アレはそう解釈してもよいんですよね?)映画が別物に変わる。

娘を探して不可解な町を彷徨う母親の物語ではなくなる。
るしははそこまでは彼女のピンチと不気味な怪物やおぞましい裏世界を怖々観ていたのだけれど・・・

気がついたらアレッサの復讐を応援し、彼女の本懐が遂げられるのを願っていたし。

だから、最後の展開のゴア描写に否定的な意見があるらしいけど、るしはに言わせれば、あそこは快哉を叫ぶトコロ。
いや、むしろ物足りないくらい。
アレッサの苦痛と絶望を奴らに!
もっとおぞましく!もっと残酷な手段で!殺せ殺せミナゴロシだ!!
あの教会にいたカルト達一人一人の最期を、もっとじっくり、克明に描写してほしかったよ・・・
それでも、久しくなかったカタルシスを感じたのは確か。

(チト興奮しすぎたかな・・・ハイ反転しゅーりょー)

勿論鑑賞途中、ローズの異常な状況への適応の早さや、閉鎖されたゴーストタウンでこのカルト達どうやって生きてるの?とか、疑問がないではなかった。
でも・・・
(あ、いかん、ここもオチに言及しちゃうよ。反転っ)

すでにサイレントヒルの住人達は、ある意味死んでいたんじゃないかな・・・
ローズやシビルも、灰が降りしきるサイレントヒルに迷い込んだ時点で、もう現世とは別の、二度と戻れない「アチラ側」(アレッサの妄執の世界?)にきてしまったんじゃないか・・・
「灰の降るサイレントヒル」自体が、「現実のサイレントヒル」とは別の空間だったわけだから、彼らはアレッサの言っていた「満足」を得るために残された、復讐の手段と、その対象としての、ゴースト的存在だったんじゃないかな・・・

そうすると、現実世界で必死に探し回り、すれ違うクリストファーが切ないね。
妻と娘の気配は気付くんだけど、決して触れることは叶わない。
(旦那パートでは、刑事さんがイイ味出してましたね)
そして喪失感あふれるラスト・・・

(ふ〜反転終了)

あの結末を迎えた後の感覚・・・まさに「サイレントヒル」
あの切ない寂寥感の再現。完璧です。


予告編等で、原作ゲームのビジュアルの再現性には大いに期待していたのですが期待以上でした。
クリーチャーの造形なんかは感涙モノですよ。アレがまたCGじゃないってのが素晴らしい。
裏世界への変貌の過程もしっかり見れて大満足。(ここはCG)
当然DVD購入は確定。

そうそう最初に1のメインテーマのイントロが流れた時は鳥肌が立ちましたね。
そしてスタッフロールに3のテーマが!
(3は1の直接的な続編で、1を元にアレンジし、そして完結させた映画版のラストを3のテーマで締めるのは、だからとてもわかってる仕事なのだ)
バックの映像が曲にバッチリあってて最高でした・・・
今も3の特典ミニサントラ聴きながら書いてます。
くっそう、サントラ買っておくべきだった!
映画のパンフによると、このゲーム版音楽の人、山岡晃氏(なんと映画のプロデューサーでもある)オリジナルCD出してるらしい。
これも「買い」だな、うん。

時間があればもう一度観たかったなぁ。
一応心臓に悪いショックシーンに身構えながら観たので(ホラー好きなのに苦手w)細かいトコロで見逃しとかありそうで、DVDが待ち遠しい。
時間と元気があったら、もう一度見てもイイなぁ・・・

あ、最期に。一応上記のように覚悟して見たんですが・・・

全然怖くありませんでした(^_^;)
これはホラー映画として観ないほうがよいですね。
ダークなメルヘン・・・そんなトコかな?
posted by るしは at 21:10| Comment(2) | TrackBack(1) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>そういえば昔
>(あ、これどこかで書いたかも)
>PONさんがこのゲーム版の展開に
>なんだかご立腹でして。
>曰く「ストーリー的に学校行く意味ない
>じゃん。単にステージ増やしてるだけで」

・・なPONでございます。
なるほど。俺ならそんなこと言いそうな
気がする。と言うのも自分の発言を
すっかり忘れてんですね。こまったもの。

多分レンタルビデオだろうな。
相方が嫌がるんで。
(ここんところ、PONから「見よう」と
 誘った映画は、惨敗続きで信用が無いのです
 ・・。ポセイドン、戦国自衛隊1549
 キングコング等々)

個人的には是非見たいですな。
Posted by PON at 2006年07月31日 12:42
>PONさん

PONさんの感想楽しみ〜。
多分辛口コメントが読めそうな予感w

相方さんの感想も聞いてみたいな〜。
この映画は女性の感想が気になります。
Posted by るしは@管理人 at 2006年07月31日 22:30
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