2006年02月24日

バイオハザード5追跡者ネメシス

こちらで感想書くと宣言してから、幾年月・・・
先日の散財記事で触れるまですっかり忘れてました(^−^;)アハハハハ
rejidentevil5.jpg
S・D・ペリー『バイオハザード5追跡者ネメシス』(中央公論新社C☆ノベルス)

・・・すいませんm(__)m
次巻の6巻も出ちゃって、今更な感じですが、一応感想書くとします。

さて、5巻はゲーム版バイオ3のノヴェライズです。
基本的な筋はゲームシナリオを踏襲してますが
ペリー女史のちょっとしたアレンジの妙が、この逆輸入シリーズの醍醐味。

今回のポイントはズバリ!

主人公を3人に設定したことですね。

1巻で人物造形を補強されたジルはともかく
その回こっきりのありがちな『パートナー役』にすぎなかったカルロス・オリヴィエラ
1作目の悪役の出来の悪いコピーにすぎなかったニコライ・ジノビエフ
この2人をジルと同格の主人公として、それぞれの視点(ほぼ一人称)で
物語は並行し交互に進行します。

これが思わぬ効果をあげているんですよ。
元はシリーズ中でも屈指の単純さを誇る(それ故に最も粗が少なかった)
ゲーム版ストーリーが、多面的に描写されるおかげで、こんなにも深みが増すなんて。
勿論それには、それぞれの描写の主体となる、各主人公達のキャラクターが
しっかりと立っていなければ出来ない事なんですが、そこは1巻で出動前のシーンを挿入し
STARS隊員の人となりを魅力的に補強したペリー女史です!

おかげでるしはにとって、小説版のカルロスとニコライは
クリスやウェスカー以上に魅力的なキャラクターとなりました。
(特にニコライのイカレっぷりは特筆に価します)

重厚な本格密室劇、とまでは言えませんが
ラクーンシティという閉鎖空間で彼らが火花を散らす人間模様は
あくまでライトなアクションスリラーにしては
その片鱗くらいは味わえるんじゃないでしょうか。

あと、るしは的に、特に嬉しかったポイントを。

@ジルが何故ラクーンシティに残っていたのか明らかにされた。
ゲームだと突然爆発するアパートから露出度高い格好で転がり出て、以降説明ナシだったので
『そこに至る様子を描いてほしい!』と、いうのが
実は、読む前からペリー女史に期待していた事だったりします。

Aゾンビに覆われた都市の様子が丁寧に描かれている。
ともかくゾンビ好きなるしはには、ゲーム版も3が1番好きだったりするのですが
(市民ゾンビのバリエーションと出番が最多だからw)
小説版ではさらに、それぞれの主人公の視点で生物災害末期の都市の光景
目の当たりにする陰惨な出来事がたっぷりと描かれ
ノヴェライズ版『ゾンビ』、フィリップ・ナットマン『ウェット・ワーク』
そして、ノヴェライズ版『ドーン・オブ・ザ・デッド』
(映画は粗だらけですが脚本第1稿を底本にしたノベライズは傑作)
以来の長編都市ゾンビ小説の傑作になったと思います。
(※上記以外のお薦めゾンビ小説があったら是非教えてくださいっ)

ただ、残念な部分も多少あります。
それは、物語の大筋がゲームシナリオに忠実なこと。
ペリー女史がオリジナルな描写を盛り込むのは、ゲームで描かれなかった陰の部分と
あとはトレントがらみのシーンだけなのです。
だから、あれだけ魅力的に描かれた悪役ニコライは、ゲーム同様唐突に退場。
最後のネメシスとの攻防も、アクションゲームだからハラハラしたのかな〜
なんて思ってしまいました。
ペリーさん、いっそエンディングもいじってください!(かなり本気)


さて、最後にちょっと寂しいお報せ。
最新刊6巻『コード:ベロニカ』の後書きによると
なんと翻訳は6巻で打ち止めみたいです(T−T)
ゲーム版『0』のノベライスが既に済んでいる、って情報が尚更泣かせますよ。
ほら、ゲームでは『ベロニカ』『4』の間に、アンブレラが壊滅してるじゃないですか。

「ペリー女史のオリジナルで、アンブレラ編の結末が読めるんじゃないか!?」

そんな夢想をしていたので、悲しみもひとしおです。
訳者、野下祥子さんが書いているように
『また彼女の世界を楽しめるチャンスがあればと願っています』
本当にそう願って止まないるしはでした。
posted by るしは at 01:23| Comment(7) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする